旅程の中でとても楽しみにしていたのは、なんといっても松本市にある松本民芸館に行くこと!
というか、そこに行きたくて家族旅行の行き先を松本にしてもらいました
刺し子作家の吉田英子さんが、松本民芸館である刺し子の労働着を見た時のことを次のように書いていて、そのドンザ(労働着)を私も是非とも見てみたいと思っていたからです。
「その前に立ったとき、頭のてっぺんから足のつま先まで、稲妻のような騒ぎが全身に走ったように思いました。」
「刺し子を生涯の仕事に定めたのはその瞬間からでした。」
(「刺し子百葉」吉田英子著 文化出版局 より)
あいにくその漁師のドンザはその日は見られなかったのですが、代わりに見事なこぎん刺しが施された着物と、山仕事のためのものと思われる刺し子の労働着が展示されていました。
実際に見るそれらの労働着は、静かな、そしてとても力強い雰囲気を放っていて、それを作った女性達の気持ちが伝わってくるようで圧倒されました。
その他、希少な模様の絣など、目を見張る展示品が数多くありましたが、それらの展示品にはみな詳しい説明が付いていません。
これは創館者である丸山太郎氏が、柳宗悦の「知ラバ見エジ 見ズバ知ラジ」という言葉に忠実なるが故のことだそうです。
名もない庶民が生活の中で使うために作った日用品の数々。
その言葉の通り、彼らの生活に想像を巡らせながら、無言で語りかけてくるモノの美しさに浸ることのできる、とても心地好い空間でした。
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