2009年06月19日

蚊絣のタイパンツ

実家に置いてあった自分の荷物の中から、古い男物の木綿の着物を見つけました。
けれども、いつ頃どこで購入したのか、自分でも全く記憶なし・・・ふらふら
とりあえず羽織ってみると、丈が短くて着物としては着られない。でも生地の状態はとても良い。模様も私の大好きな蚊絣。
ということは、きっと当時の私が生地を再利用しようと思って買っておいたのでしょう。
そう思うことにして、さっそく着物を解き、以前から作ってみたかったタイパンツに仕立ててみました。

自分の持っていたパンツの寸法をざっと測り、要らない紙を使ってまずは型紙を作りました。昔の着物なので布巾が34cmしかなく、それに合わせて型紙を少し削ったり、接いで作ったりした箇所もあり、元にしたパンツよりも少し細身のものになりました。

Thai pants (pattern).JPG  Thai pants -2.JPG

いくらか細身といっても、そこはタイパンツ。
ゆるゆるゆったり快適です♪ 布も程よく着古されているので、肌触りも柔らかい。

今回タイパンツを作って気付いたことは、股の部分以外は全て直線断ちということ。
布を曲線に切ることにとても抵抗がある私でも、気持ちよく作ることができました。ひたすら直線を縫っていくのも、着物を縫っている感じでとても楽しかったです。

制作時間は手縫いで10時間程。今回は縫い代をすべて「折り伏せ縫い」で処理したので、その分時間がかかってしまいました。ポケットやベルトループを付けても便利かも・・・と、まだまだ改良の余地がありますが、まずは初めてのパンツ作りに満足していますわーい(嬉しい顔)

2009年06月11日

和綿の種

日本滞在も2週間が過ぎました。友人と会ったり、刺し子物の材料などを探したりしながら過ごしていたのですが、思いがけずその間に和綿の種が手許に集まってきました。

はじめは、後学のためにと見に行った全国古代織展で。
そこで展示をしていらした手紡木綿の作家の方とお話をしていたところ、話が布や染色のことから綿花栽培へと移っていき、「今日は最終日なので、よろしければどうぞ・・・。」と展示されていた綿花を下さいました。その綿花は、伯州綿(はくしゅうめん)という三百年前から鳥取県の弓ヶ浜で栽培されてきた日本古来の和綿なのだそうです。

cotton.JPG

このふわふわの綿の中には種がたくさん入っています。
ヘタの付いたままの綿花を見ると、改めて「植物がこのような繊維を生み出してくれるなんて本当にすごい!」と感心してしまいます。


次に種に出会った場所は、念願叶ってついに今年行くことができた松本クラフトフェアで。
和棉の栽培を守り続ける伎倍幡(きべばた)本舗さんのブースで和綿に関する色々なお話を聞くことができ、ご自身で栽培されている和綿の種をそこでも分けていただきました。

kibebata-honpo.JPG

写真は綿繰りの実演をされている寺田徳五郎さん。
作業の最中は動きが速いので、どうしても画像がぶれてしまいます。
綿繰り車に通された後の綿には、まるで絹のような光沢がありました。


上に述べたお二人のお話を聞くうち、次第に、自分でも和綿を栽培してみたい!という気持ちが強くなりました。
綿が集まれば、それを紡いで、織って・・・と夢は膨らみます。でも今は刺し子に専念したいしなぁ・・・と、独り心の中で葛藤。

そんな私の心を見透かすように、寺田さんが仰いました。
「とりあえず育ててみて、収穫したものを4年か5年のあいだ取って置けばいい。たくさん溜まってきたらそれを紡いでもいいし、布団や座布団の中綿にしてもいい。」

寺田さんが最後に仰った、
「昔はどこの家でもそうやって綿を育てて溜めておいて、娘がお嫁に行く時にはその綿で布団を作って持たせてやった。それが日本のしきたりだ。」
という言葉が心に響きました。

2009年06月03日

ショック・・・。

先日コメントを下さった方からの情報で、今年の4月に雄鶏社が倒産していたということを知りました。

雄鶏社といえば、言わずと知れた手芸図書出版の老舗です。
手芸が好きな方であれば、まず雄鶏社の本はお持ちなのではないでしょうか。かくゆう私も、持っている刺繍関係の本はほとんどが雄鶏社のものです。学生の頃に刺し子に興味を持って以来、雄鶏社の本にはずっとお世話になっていました。何度となく開いているので、中には中綴じがはずれてボロボロになっているものもあります。

今更ながら、信じられない。という気持ちでいっぱいです。
とても丁寧に作られた本を比較的安価な価格で販売していて、手芸を愛する広くて堅いファン層に支えられていると思っていたのですが、自己破産とは・・・。
本当に悲しい、寂しい、悔しい。
真面目に良質な本を作っていた出版社ばかりがどんどん潰れていきますね。
編集者の方々の無念はいかばかりか・・・と思います。

今後はどうなるのでしょうね。
どこか他の出版社が版権を買い取って、再度出版できるようになるといいのですが。あるいは京都書院のように、在庫だけの販売を続けていくとか・・・。


先日さっそく、日本に来たら買おうと思っていた、雄鶏社のこぎん刺しの新刊を探しに走りました。なんとか入手できた本はこちら。

kogin book.jpg
津軽に伝わるやさしい手仕事 こぎん刺し


とても素敵な表紙ですね。
こんなにきれいな本を出してくれる出版社がなくなってしまうのは、本当に残念です。