オーダーメイドのご注文をいただいたテーブルセンター。
布やサイズ・大まかなデザインの指定はありましたが、刺し子部分についてはお任せということだったので、以前から気になっていた紗綾形模様を刺すことにしました。
少し角度をつけた「流し紗綾形」です。
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この紗綾形模様、16世紀後半に明から輸入された「紗綾」という絹織物にこの文様が用いられていたことからこう呼ばれるようになったそうです。それ以降、綸子などの地紋にはほとんどこの紗綾形が使われるようになりました。
以前にこちらで紹介したイギリス人の刺し子作家、Susan Briscoeさんの著書(The Ultimate Sashiko Sourcebook
「紗綾形はシルクロードを通じて古代ギリシャから中国に伝わった。確かに紗綾形は多くのGreek key patterns(ギリシャの鍵の雷門模様)に似ている。」(90頁より)
紗綾形の模様から優雅さと品格を感じるのは、どこか古代ギリシャの雰囲気を残しているためなのかもしれません。
今回はそんな紗綾形の歴史に想いを馳せながらデザインを考えました。
紗綾織の絹織物をイメージして糸は光沢のあるものを選び、両端には菊刺しを施して房を付けました。
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納品を終えて、お客様の感想をいただくまでは、毎回ドキドキです。