2010年12月09日

「みちのくの古布の世界」

本のご紹介。

michinoku kofu book.jpg
図説 みちのくの古布の世界 (ふくろうの本/日本の文化)

青森県出身の民俗学者であり、以前にご紹介したアミューズミュージアムの名誉館長でもある田中忠三郎氏が蒐集した東北地方の衣服コレクションの本です。

「刺す」「染める」「編む」「継ぐ」「織る」と五つの項目に分けられており、それぞれの成り立ちや歴史を多数のカラー写真と共に紹介しています。

今回は特に、菱刺しの前掛けの配色の美しさに感嘆してしまいました!
なんという豊かで鋭い感性なのでしょう。カラフルな色毛糸を目にした南部地方の娘さん達の喜びと、刺す楽しみに溢れていた様子が感じられます。

それと、「継ぐ」の章のボロと裂織には圧倒されました。
幾重にも継ぎ足された衣類や寝具からは、小さな布切れさえ大切に扱った布への想いがひしひしと伝わってきます。ひいては、北国の厳しい自然の中で、「生きる」ことへの知恵と執着から生まれたものであることが分かります。

全体を通じて、文章の端々に著者の当時の人々に対する尊敬の念と深い愛情を感じました。
ページを開くたびに、非常に刺激を受ける本です。
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