津軽こぎんと刺し子―はたらき着は美しい (INAX BOOKLET)
主に津軽こぎんに焦点を当てながら、北は津軽、南は博多まで日本各地の刺し子を紹介している他、海外の刺し子についても少し触れられています。
それぞれの地域の環境・歴史背景・その用途によって、同じ刺し子でも図柄や配置が違っているのが面白いです。
興味深いエピソードとしては、津軽こぎんに似た中国の纏足の靴の刺繍をするときに、模様の歌を歌いながら刺していくというものがありました。
「はじめに花一つ、つぎには三つ・・・・・・といったように、刺し方が歌になっている。それぞれの模様ごとに歌があって、歌いながら刺していったらしいのです。」(12頁より)
素敵ですねぇ
本の中では「木綿以前の衣文化」についても詳しく書かれています。
家族が着るための衣服を調達するのは当時の女性の重要な仕事のひとつで、植物の栽培〜機織り〜刺し子までの全てを、畑や家事労働の仕事の合間にしなければなりませんでした。
その緻密さで有名なこぎん刺しでさえ、経験者の方によると、
「刺すだけの手間は一枚のこぎんを作るのに費やす全体の手間の、十分の一にも達しない」(70頁より)と言われるほど。
「衣服の布を得るには、計り知れない大きな労働力を必要とした。」(79頁より)
きっと私なんかの想像を絶する、たいへんに骨の折れる作業だったのだと思います。布は大切にしなければ・・・とまたしても再確認しました。
それと本のデザインについて言えば、思わず唸ってしまったのがそのレイアウト。文章や写真のレイアウトが刺し子やこぎんの図柄を想像させる構成になっているんです!
刺繍と同様、細かいところまで気を配ってあります。
こぎんや刺し子について知る資料として、とても参考になる本でした。
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